会社でクレジットカードを作成する際には、法人カードを利用することになりますが、できるだけそのコストを抑えたいと考える経営者の方も多いのでは?
実は、個人用のクレジットカードと同じように、法人カードにも年会費が無料で使い続けられるようなカードも存在します。
しかし、年会費が無料のカードの中には、初年度だけが無料のものもあれば、条件をクリアしないと翌年は有料になるものなど様々なものがあります。
そのため、最初にカードに入会する際にはその違いをしっかりと把握し、会社にとって何がベストなのかを考えて申し込まなければなりません。
年会費が無料の法人カードは、やはりコストがかからないというのが最大のメリットですが、その分デメリットも存在します。
この記事では、そんな年会費が無料の法人カードの様々なパターンやデメリット、注意点や向いている方などを紹介させていただきます。
ただ、予め結論をいうと付帯サービスなどを充実させたい方には年会費無料の法人カードは向いていませんのでご注意を。
年会費が有料でも付帯サービスやポイント還元率が良い法人カードについてはこちらで解説しています。
目次
法人カードの年会費無料にも様々なパターンがある
それでは最初に、年会費無料と謳われる法人カードのパターンについて見ていきましょう。
無料と言われている法人カードは大きく
- 年会費がずっと無料のカード
- 初年度の年会費が無料のカード
- 初年度が無料で、条件をクリアすることで翌年も無料のカード
- 年会費は有料だが追加カードは年会費が無料のカード
の4つに分類することができます。
年会費がずっと無料のカード
申し込みをする年はもちろん、その翌年も翌々年も、基本的には年会費を支払う必要なく使うことのできる法人カードです。
常に無料ということですので、法人カードのコストをできるだけ抑えたいという方におすすめです。
また、追加カードが作れるタイプであれば、その追加カードも無料で発行できるケースが多いため、作れば作るほどお得に利用可能です。
ただし、やはり追加カードの発行制限が設けられていることが多いですし、ポイント付帯をはじめとする特典が少ないものも少なくありません。
メリット | デメリット |
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初年度の年会費が無料のカード
個人で使用するクレジットカードにも多いパターンですが、1年目は年会費がかからず、2年目から通常の年会費を支払うといった法人カードも存在します。
このパターンのカードは発行されている種類もかなり多いですし、とりあえず1年目を無料で使ってみて使い勝手を確かめることも可能です。
ただし、2年目以降からは通常の年会費が発生するため、申し込み時にいくらかかるかを確認しておくのと、追加カードに対しても年会費が必要かをチェックしておきましょう。
また、1年目を終えたら自動更新というものも少なくないため、使えないと感じたのであればきちんと退会手続きを取る必要があります。
メリット | デメリット |
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初年度が無料で、条件をクリアすることで翌年も無料のカード
こちらも、上述した初年度は年会費がかからず2年目からは年会費が必要になる法人カードと似ています。
しかし上記のカードと異なるのは、条件に応じて翌年の年会費が無料になる可能性があるという点です。
具体的には、
- カードで〇万円以上を使う
- カードでショッピングする
などといった条件を前年度にクリアすることによって、その翌年も引き続き年会費無料でカードを使い続けることができるのです。
もちろんその条件は法人カードによって異なるのですが、上述したように比較的簡単な条件が設けられていることが多いため、カードをよく使うのであれば実質年会費は無料です。
メリット | デメリット |
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年会費は有料だが追加カードは年会費が無料のカード
最初に申し込む法人カードに対しては年会費がかかってきますが、追加で発行するカードに対しての年会費は無料というパターンも存在します。
親となるカードは、紹介した4種類のカードの中では最もステータスが高く、追加カードにもメインのカードと同じような特典が付くため、使い勝手は良いと言えます。
ただしその反面、親カードに対しては確実に年会費がかかってくるため、法人カード自体のコストを抑えたいという方には向いていないかもしれません。
メリット | デメリット |
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年会費無料法人カードのデメリット
ではそんな種類がある年会費無料の法人カードですが、実際にデメリットもあります。
主なデメリットは以下の4つです。
ポイント還元率が少ない
年会費を普通に支払わなければならない法人カードには、高いポイント還元率を誇るものも多数存在します。
ポイント還元率が高ければ、カードをたくさん使用してポイントをためることによって、割引やキャッシュバックなどの特典が受けられます。
一方で、年会費無料の法人カードは使用しても、還元されるポイントはごくわずかというケースが多いです。
もちろん使用額に比例してポイントが貯まっていくというのは変わりませんが、その割合が低いとほとんど貯まらないという印象を持つのではないでしょうか。
そのため、年会費が無料な法人カードで、高いポイント還元率を期待するのは少々難しいと考えましょう。
付帯保険がない
年会費がかかる法人カードには、海外旅行障害保険やショッピング保険をはじめ、複数の保険がつけられていることが多いです。
例えば海外旅行によく行かれるのであれば、海外旅行保険が付いていないということにデメリットを感じるでしょう。
同様に、カードで決済した商品が破損したりした場合には、ショッピング保険が適用されるはずですが、そもそも保険がないとその恩恵を受けることができません。
もちろんその法人カードの使い方や所有者の生活によって、保険が必要かどうかは変わってきます。
しかし、有料の法人カードには当たり前についている特典であり、当然付帯しているだろうと考える方には大きなデメリットとなるはずです。
福利厚生・優待サービスなどがない
クレジットカードに入会する方の中には、そのカードの優待サービスや福利厚生などに魅力を感じたから申し込むという方もいらっしゃるかもしれません。
優待特典には、例えば
- 空港のラウンジの利用が無料
- ホテルやレストランなどの割引き
- 飛行機のボーナスマイル
- 空港までの手荷物の配送サービス
などなど、法人カードによってその種類や質は違えど、実に様々なジャンルのものが存在します。
中には、年会費が無料の法人カードの中にも、一部の優待サービスが付帯しているものもあります。
しかし、年会費が有料の法人カードと比べると、その特典の内容はかなり落ちるため、デメリットを感じる部分の1つになってしまう場合が多いです。
制限が多い
有料の法人カードにも様々な種類がありますが、基本的にカードを使用するにあたってこれといった制限を感じることはあまりありません。
しかし、年会費が無料の法人カードの中には、例えば利用店舗が限定されているようなものも存在するため、使い勝手が悪いと感じる方も多いのです。
無料で使用し続けている以上、多少の制限は仕方がないと割り切るしかないのかもしれません。
制限の種類はカードによって異なりますが、そういった制限に縛られずに使いたいという方は、やはり年会費が必要な法人カードを使ったほうが良いでしょう。
年会費無料の法人カードは3つ
上記のデメリットを理解した上でそれでも年会費無料の法人カードが作りたい方へ。
先程紹介パターンでも完全に年会費無料で作れる法人カードと年に1回の利用で年会費無料になる法人カードをここでは紹介します。
ライフカードビジネス
ライフカードビジネスの基本情報 | |
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年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | なし |
追加カード | 無料 |
ETCカード | 無料 |
限度額 | 最大500万円まで |
ライフカードビジネスは、文字通り年会費がかからない法人カードですし、無料を維持するための条件なども存在しません。
そのため、例えば今まで法人カードを持ったことがないが、どんな感じなのか試してみたいという方にもおすすめできます。
例え全く使わなかったとしても、持っているだけで損をすることがないため、とりあえず1枚作っておくというのもよいかもしれません。
ただ、上記で紹介したとおり優待サービスや付帯保険などは一切ついていません。
それにポイント制度もついていないので、本当にただクレジットカードで支払いをするためだけの法人カードです。
もし、それらをつけたいなら初年度は無料で年会費2,000円(税別)で作れるライフカードゴールドビジネスもあるのでそちらを検討してもいいでしょう。
まー、あくまでもライフカードで発行したい!という方向けですが。
P-one Business MasterCard
P-one Business MasterCardの基本情報 | |
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年会費 | 年間で1回でもカードを利用すれば翌年も無料(使わない場合は2000円+税金) |
ポイント還元率 | 0.66% |
追加カード | 無料(5枚まで) |
ETCカード | 無料(発行手数料1000円) |
限度額 | 最大300万円まで |
P-one Business MasterCardは完全に年会費が無料というわけではありませんが、1回でもカードを使えば翌年も無料で利用できるため、実質は年会費は無料と考えていい法人カード。
他の無料法人カードと同じように旅行保険などは付いていませんが、ポイント還元率が0.66%となり、無料カードの中ではやや高いのが1つの特徴です。
追加カードも5枚まで無料で作ることができますし、発行手数料はかかりますが、ETCカードも無料で利用できるため、会社によっては使い勝手が良いはずです。
ビジネクスト
ビジネクストの基本情報 | |
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年会費 | 無料 |
ポイント還元率 | なし |
追加カード | 無料 |
ETCカード | 無料 |
限度額 | 最大300万円まで |
ビジネクストは、有料の法人カードについているような空港ラウンジの利用や付帯保険などはありませんが、本人カード、追加カードともに無料で利用できます。
ETCカードも無料で発行できますし、利用限度額は300万円までとなっているため、人によっては使い勝手の良いカードでしょう。
ライフカードビジネスと似たような感じですね。
ただし、全て無料で利用できるという以外はこれと言って秀でたメリットがないため、2枚目のカードとして所有しておくことをおすすめいたします。
年会費無料の法人カードを利用する注意点
それでは続いて、年会費が無料の法人カードを利用する際の注意点を見ていきましょう。
注意すべき点はいくつかありますが、代表的なものとして、
- 途中で有料になる可能性がある
- 年会費無料と実質年会費無料は違う
- 発行手数料がかかることがある
などが挙げられます。
途中で有料になる可能性がある
申し込みの段階では年会費が無料だと謳っていた法人カードであっても、しばらくしてから年会費がかかるようになるケースが存在します。
もちろん、初めから利用者を騙そうとして方針を変えるわけではなく、
- カード会社の利益が少ない
- 経営難
などが原因で、やむを得ず年会費を取るパターンが多いです。
カード会社側からしても、初めは年会費を無料にしても十分にやっていけると考えていたにもかかわらず、いざ会社を運営してみると思うようにいかなかったということがあります。
致し方ないことかもしれませんが、経営の方針自体が変わってしまったのであれば、利用者はその方針に従う他ありません。
このように、申し込み時に年会費がかからないと思って入会したカードが、放置していたらいつの間にかお金がかかっていた、ということになる可能性もあるの十分注意しましょう。
年会費無料と実質年会費無料は違う
上述したように、年会費無料の法人カードは4つのパターンに分類することができます。
例えば初年度のみの年会費が無料となっている法人カードであれば、2年目以降は年会費がかかるんだということが一目瞭然です。
しかし一方で、実質年会費が無料だと謳っているカードも少なくありません。
実質年会費無料とは、上記の中では「条件をクリアすることで翌年も無料のカード」に当たります。
つまり、その条件を満たすことができれば翌年も無料ですし、翌年にも同じようにクリアしたら翌々年も年会費がかからないということになります。
逆に言えば、条件がクリアできない場合は翌年の年会費がかかってしまうため、完全に年会費が無料のカードとは全く別物です。
もちろん条件は比較的ハードルの低いものであることが多いですが、この違いをしっかりと理解しないまま入会してしまうと、いつの間にか年会費がかかるカードに変わってしまいます。
特に、複数のクレジットカードに入会する場合は、どれがどれだかわからなくなってしまう可能性も高いため、条件付きのカードの存在を把握しておくようにしましょう。
発行手数料がかかることがある
年会費は完全に無料で利用できる法人カードであっても、中には発行するのに手数料がかかるというタイプのものも存在します。
もちろん発行するのは原則初めの1回のみということになりますが、大体1,000円程度の手数料がかかるため、実質1年目の年会費がかかるようなものです。
同様に、クレジットカードには期限があるため、その期限が切れるたびに発行手数料が必要になるケースもあります。
1枚だけであれば大した出費ではないかもしれませんが、追加カードを何枚も作ったりETCカードを作成したりして、その全てに手数料がかかるとなったら大きな額になります。
発行手数料だけであれば気にしないというならともかく、できるだけ支出を抑えたいのであれば、年会費と併せて発行手数料の有無も確認しておきましょう。
年会費無料の法人カードが向いている人
法人カードにも様々な種類がありますが、年会費無料のカードはどのような方に向いているのでしょうか。
最後に年会費無料の法人カードが向いている方の特徴を紹介します。
やはり最大のメリットがコストがかからないという点なので、
- 年会費によるコストを抑えたい方
- 2枚目の法人カードがほしい方
という方にはおすすめです。
年会費によるコストを抑えたい方に向いている
ある程度利益が出ている企業であれば、法人カードでかかる年会費くらいは何とも思わないのかもしれません。
しかし、できるだけ会社の支出を抑えたいと考える方は多いですし、特に起業直後や利益が少額の会社の場合は、ちょっとした出費も気になるはずです。
年会費無料の法人カードであれば、クレジットカードとしての機能を持っているにもかかわらず、支出をゼロに抑えることが可能です。
追加カードの年会費がかからないカードもあるため、コスト削減を重視する経営者の方は、一度年会費無料の法人カードを調べてみて良いと思ったなら発行して使用してみてはどうでしょうか?
2枚目の法人カードとしておすすめ
年会費が無料の法人カードは、維持費がかからないというメリットがある一方で、ステータス面や特典面では、やはり有料のカードに見劣りします。
クレジットカードにかかるコストを最小限にするには、年会費無料のカードのみを所持するのが一番かもしれません。
しかし、年会費がかかる法人カードの補助的な存在として、無料のカードに入会するという方も少なくありません。
既にメインとなる法人カードを持っているのであれば、2枚目に維持コストのかからないカードを持っていても損することはないため、作っておくだけ作っておくというのも方法の1つです。
まとめ
既に有料の法人カードを所有しているという経営者の方もいれば、法人を立ち上げたばかりでカード自体持っていないという方もいらっしゃるでしょう。
いずれの場合も、年間の維持コストが全くかからない法人カードというのは魅力的に映るはずです。
しかし、無料であることによって、有料のカードと比べるとデメリットとなる部分が多数存在しますし、注意しなければならないポイントもあります。
また、無料の法人カードの中にも複数の種類があるため、それらの違いをはっきりと理解してから入会するようにしましょう。