会社でクレジットカードを作ろうとなった際には、一口にビジネスカードといっても複数の種類のカードがあるということに気づかれるのではないでしょうか。
具体的には、
- ビジネスカード
- 法人カード
- コーポレートカード
などがありますが、どのカードを作るのが最も適しているのかわからないと混乱される方もいらっしゃるはずです。
それでは、それぞれの違いはどのような点にあるのでしょうか。
この記事ではそんな3つの違いやそれぞれにおすすめのクレジットカードを紹介しております。
法人で新しくクレジットカードを作成する予定のある方は、まずはそれぞれの違いについて理解していきましょう。
目次
「ビジネスカード」と「法人カード」と「コーポレートカード」は意味はほぼ同じカード
最初に結論を申し上げると、法人が利用するクレジットカードには様々な呼び名がありますが、基本的には同じようなクレジットカードという認識を持っていただければ問題ありません。
「法人カード」がそれぞれのカードの総称だとすると、「ビジネスカード」と「コーポレートカード」はその「法人カード」に含まれるカードということになります。
もちろん全く同じということはないのですが、呼び名によってクレジットカードの機能自体が大きく変わるということはありません。
しかし、あえてそれぞれのカードの特徴を上げるなら、以下の通りになります。
種類 | 主な特徴 |
---|---|
ビジネスカード | 個人事業主や中小企業を対象として発行されることの多いクレジットカード |
コーポレートカード | 主に大企業が、そこに勤める従業員のために発行するクレジットカード |
法人カード | 個人事業主、または会社の大きさなどに関わらず、事業者全般を対象として発行するクレジットカード |
コーポレートカードとビジネスカードには3つの違いがある
上記の3つはほとんど同じ役割ですが、コーポレートカードとビジネスカードでは少し役割が違います。
具体的には、申し込みの際に
- 会社の規模
- 決済方法
- 追加カードの枚数
でどちらを選ぶか考えるようにしましょう。
契約が向いている会社の規模
上述したように、法人カードには様々な呼び名がありますが、基本的にはその性質は同じようなものの。
しかし、例えば個人事業主が大企業が使うような法人カードを利用してもあまりメリットがありません。
逆に、大きな企業の代表者が個人事業主用のカードに申し込みをしたとしても、使い勝手が良くないので使用している社長さんはほとんどいないのです。
後述しますが、例えば個人事業主用のカードの中には従業員用の複数のカードを作れないものもあるため、複数の従業員にカードを使わせたい大企業には向いていません。
そのため、実際にカードを申し込む際には会社の規模にあわせて以下の法人カードを利用するようにしましょう。
会社の規模 | 法人カード |
個人事業主 | ビジネスカード(個人事業主向け) |
中小企業 | ビジネスカード |
大企業 | コーポレートカード |
料金の決済方法
この場合の決済方法とは、クレジットカードを利用して使ったお金をどこの口座から引き落とすのかということになります。
そして、コーポレートカードやビジネスカードの決済方法は大きく、
- 個人決済型
- 会社決済型
の2つに分類することができます。
個人決済型
個人決済型とは、会社のビジネスカードを使って支払った費用を、その社員の個人口座から引き落とす形式の決済方法です。
ビジネスカードを使って決済をすることになりますが、基本的に個人のクレジットカードを使って立て替え払いを行うのと全く同じ決済方法になります。
請求は個人ごとの口座に来ることになりますが、予めその社員が経理にその額を請求すれば問題はありません。
会社決済型
コーポレートカードで社員が利用した費用を、会社の法人口座から引き落としする決済形式を会社決済型と呼びます。
複数の社員がそれぞれのカードで決済した額を、合わせて会社の口座から引き落とすことになるため、個別の支払いを割り出すのが大変になるケースも少なくありません。
そのため、一般的には決済方法を会社決済型にする企業では、個人的なカードの使用を禁止していることが多いようです。
追加できるカードの枚数
法人の中には、代表者だけではなく社員にもクレジットカードを持たせたいと考えるところも多いのではないでしょうか。
しかし同じ法人カードであっても、コーポレートカードやビジネスカードの中には追加カードの枚数が限られている法人カードもあるため注意が必要です。
例えば10枚のカードを追加したいのに、カードによっては5枚までしか発行できないような法人カードもあるため、最初の入会の段階で確かめておかなければなりません。
将来的にたくさんの社員にクレジットカードを持たせたいのであれば、追加カードの発行枚数が無制限の法人カードを選択するようにしましょう。
また、個人事業主用のビジネスカードの中には、追加でカードを申請できないものも存在します。
そもそも個人事業主は、ご自身が使うカードを1枚持っていればそれで事足りるため問題ありません。
しかし、万が一、個人事業主でも従業員がいて複数のクレジットカードを使いたいというような場合は、こちらも申し込みの段階でカード会社に確認しておくようにしましょう。
コーポレートカードとビジネスカードで違いが無い部分
続いて、コーポレートカードとビジネスカードであまり違いのない部分について見ていきましょう。
- 年会費
- 申込方法や審査
- キャッシング機能が少ないカードが多い
特に個人のクレジットカードとは異なりキャッシング機能が少ないのは、法人カードの大きな特徴の1つと言えます。
年会費は無料のものから有料のものまで
個人のクレジットカードにも、年会費が無料のものもあれば、高額な年会費を支払わなければならないものも存在します。
基本的には、法人カードにも個人カードと同じことが当てはまります。
つまり、中には年会費がかからないコーポレートカードやビジネスカードがある一方で、年会費が必要な法人カードもあるということです。
この辺りは、コーポレートカードとビジネスカードによって異なるという以前に、カードごとに異なる点になります。
また、通常は年会費のかかるカードであっても条件によって無料になるようなものもあるため、一概には言えません。
詳しくは、年会費無料の法人カードの種類とメリットを参照ください。
申し込む方法と審査
コーポレートカードもビジネスカードも、基本的には申し込み方法は同じです。
一般的なクレジットカードであれば、ネットや直接店舗などで入会を申し込み、その申し込みフォームに記載したメールアドレスに審査結果が届くのが主な流れです。
もし今までクレジットカードを作ったことがないという方はこちらの記事も参考にしてみてください。
ただ、上記の記事の必要書類は個人用なので注意を。
申し込みに必要な4つの書類
もちろん申し込みをするクレジットカードによって異なりますが、一般的に申し込みに求められる書類は以下の通りです。
- 申し込みフォーム
- 法人の本人確認書類
- その法人の代表者の本人確認書類
- 銀行振替依頼書
申し込みフォームは必要書類というよりは、それぞれのクレジットカード会社のホームページを訪れて直接記入する申し込みページのことです。
申し込みフォームに記載する内容は、それぞれの法人カードによって若干異なります。
しかし、基本的には法人に関する情報、または代表者の情報などのはずですのでスムーズに記載できるでしょう。
また、法人カードは、法人を通して入会することになるため、個人の本人確認書類だけではなく登記簿謄本なども必要になってきます。
さらに、そのクレジットカードを使った際のお金をどこの銀行口座から引き落とすかを決めなければならないため、銀行の番号や判子なども用意しておきましょう。
法人の書類に関してはこちらの記事でも詳しく解説しております。
キャッシング機能が無いカードが多い
個人で作るクレジットカードであれば、キャッシング機能がついているものが一般的です。
しかしコーポレートカードやビジネスカードには、原則キャッシングの機能がありません。
キャッシングというのは、簡単にいってしまうと金融機関からお金を借りるということになりますが、法人は通常、銀行から融資を受けて資金を調達します。
もちろん法人が融資を受けるのは一般的なことかもしれませんが、気軽にカードでキャッシングができてしまうのは大きな問題です。
実際に、キャッシング機能を利用したい法人は経営状態が不安定であるケースが多く、場合によっては倒産のリスクも存在します。
そうなると、キャッシング機能を使われるだけ使われて借り倒れということにもなりかねないため、その機能自体を付けていない法人カードが多いのです。
ただし、法人カードの中でも個人事業主限定のビジネスカードであればキャッシング機能が利用できることが多いです。
また、法人用のカードであっても、
- セゾンプラチナ・アメックス
- P-ONE Busines MasterCard
の2つはキャッシングも可能な法人カードとして人気が高いです。
タイプ別でおすすめの法人カード
それでは最後に、企業や個人事業主の方におすすめの法人カードを紹介させていただきます。
従業員が少ない企業ならビジネスカード『JCB一般法人カード』
JCB一般法人カードの基本情報 | |
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年会費 | 1,250円(税別) |
追加カード | 1,250円(税別)/1枚 |
ETCカード | 無料 |
限度額 | – |
旅行傷害保険 | 海外:最高3,000万円※ 国内:最高3,000万円※ |
※旅行保険は利用付帯
従業員が少ない企業なら法人カードの「JCB一般法人カード」がおすすめ。
年会費は、初年度が無料で2年目以降も1,250円(税別)となるため維持コストも比較的低いですし、付帯している保険も充実しています。
それに国内で唯一の国際ブランドあるJCBのプロパーカードですし
従業員が多い大企業ならコーポレートカード『オリコビジネスカードGold』
オリコビジネスカードGoldの基本情報 | |
---|---|
年会費 | 初年度無料!次年度以降2,000円(税別) |
追加カード | 初年度無料!次年度以降2,000円(税別)/1枚 |
ETCカード | 無料 |
限度額 | 10万円~1,000万円 |
旅行傷害保険 | 海外:最高2,000万円※ 国内:最高1,000万円※ |
※海外傷害保険は自動付帯で国内傷害保険は利用付帯
従業員が多い企業ならオリコが発行している「オリコビジネスカードGold」。
最大で20枚まで追加で発行でき、カードごとに限度額を決めることができるため管理が非常に楽になります。
また、海外傷害保険も付いていますし、無料で空港のラウンジが使えるなどの特典も充実している法人カードです。
ただ、ポイントプログラムなどはないので本当に経理を楽にしたい方向けです。
個人事業主ならオリコ『EX Gold for Biz S iD』
EX Gold for Biz s iDの基本情報 | |
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年会費 | 初年度無料!次年度以降2,000円(税別) |
追加カード | なし |
ETCカード | 無料 |
限度額 | 10万円~300万円 |
旅行傷害保険 | 海外:最高2,000万円※ 国内:最高1,000万円※ |
※海外傷害保険は自動付帯で国内傷害保険は利用付帯
個人事業主の方用のカードにも様々なものがありますが、その中でも選ぶならダントツでオリコ「EX Gold for Biz」がおすすめ。
1万円~100万円であれば、個人事業主の方向けにキャッシングサービスが付いていますし、年会費も初年度が無料で2年目からは2,000円(税抜)となっています。
ポイントプログラムも充実していて、利用額次第では最大でポイント還元率が1.1%もあがるのでポイントもガンガン貯めることができますよ。
まとめ
ビジネスカードもコーポレートカードも、大きく分けると法人カードということになるため、大きな違いがあるというわけではありません。
しかし、だからと言って適当に選択してしまうと、後々使い勝手が悪いと感じる可能性も高いです。
法人カードにも様々な特徴がありますので、まずはカードの機能などを確認し会社の規模に応じて利用するカードを決めることをおすすめいたします。
同様に個人事業主の方は、ビジネスカードの中でも個人事業主向けのカードの方が使い勝手が良いはずです。
こちらもカードによってできること、できないことなどを把握したうえで、ご自身に最も適したカードを選ぶようにしましょう。